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グッと!尼っ子リンリンサポーター

団体名:国際航業株式会社

活動の報告

 

<贈呈式>

同社に赴き以下のとおり実施。


日時:平成31年3月12日(火)午後3時30分から
場所:同社の関西事業所・西日本支社内にて

 

サポーター活動について

活動の内容:自転車交通事故削減のためのスマートフォンアプリの開発・実験

活動の目標:尼崎市が「自転車マナー日本一」になること

リンク先:http://www.kkc.co.jp/

 

 

<贈呈時サポーターへのインタビュー

【取組を始めたきっかけ】
平成27年6月に社内で、地域課題を解決できるような事業をできないかと検討を開始し、事業所のある尼崎市について社内アンケートを採ったところ、「尼崎市の良いところは交通の便、良くないところは交通マナー(特に自転車)」との意見が出ました。尼崎市の自転車交通事故防止について、何かテクノロジーを使って役立つものができないかというところが取組を始めたきっかけでした。
調べてみると、自転車の交通事故の約70%は交差点で発生していることがわかりました。そこで、交差点で一旦停止を行えば多くの交通事故を防ぐことができるのではないか、と考えました。そこで、当社の事業領域である地理空間情報(GIS)とセンシング技術を活用し、交差点で一旦停止をするとポイントを付与するという仕組みのスマートフォンアプリケーションを考案しました。その後、同アプリで臨んだ平成28年度の尼崎課題解決型ビジネスプランコンペにおいては、最優秀賞をいただきました。そして平成30年11月から平成31年3月までアプリを用いて実証実験を行いました。

 

【一時停止すると多くの交通事故は防ぐことができる】
交差点で一時停止をするとポイントを付与するという仕組みの現行のアプリの完成まで、どのような行動をアプリに組み込むか、試作品のアプリをいくつも作りました。
特に、自転車利用者の行動を、アプリで検出できるのかどうかがポイントでした。例えば、車道での逆走(右側通行)を検知できるのかについては、道路の形状等は場所によって様々なため、行動を検知できてもコストがかかる等の問題がありました。そうなると、やはり最も現実的なのは「止まることを検知する」という手法でした。自転車交通事故の約7割は、交差点で発生しています。交差点で周囲に気を付けて、一時停止すると多くの交通事故は防ぐことができると考えています。データとして「停止している」状況をどう検知するか、技術面において、自転車が停止するということは?から始まり、苦労を重ねようやく現在のアプリが完成しました。

 

【アプリのポイントをどうインセンティブ(動機付け)として使うか:ポイントの使い道その①】
アプリのもともとのコンセプトは「ほめる」ことですが、それをインセンティブ(動機付け)に使えなければ、継続したビジネスとしては成り立ちません。
平成30年11月から平成31年3月まで実施した実験では、ポイントの使い道はまだありませんでしたが、将来的にはこのポイントを商業施設等のポイントと連携させることによって集客の手段として活用してもらい、自転車交通事故の削減を図りながら地域経済の活性化にも寄与できるものになると考えています。ただ、今回の実証実験の結果をもって今後具体的に仕組みを考えていくので、これからまだまだ大変です。

 

【目に見えないものを数値化させる仕組み:ポイントの使い道その②】
ポイントを、自治体の信用スコアとして考えられないでしょうか。マナーというのは存在しているけれど目には見えませんし、数値化もできないものです。アプリによって、自転車に乗って交差点で一時停止する人の人数が分かるとします。そういった交通ルールを守る人は事故にあいにくい人であり、尼崎市にそういった人たちがたくさんいるとなれば、自治体の信用スコアが高いという計測ができます。仮にアプリが普及すれば、例えば学校区等のエリア単位で、地域ごとの傾向が見えてきます。そういった傾向と、事故の発生率等の関係性も考えて、例えば自治体が交通安全の啓発活動を行う際の尺度にしてもらえれば、非常に意義があると考えています。
自治体の交通安全対策にはハード面の対策とソフト面の対策の両方があると思いますが、交差点を見やすくする、自転車道を作る等のハード対策は、交通事故件数の減少に大きな効果がある一方コストがかかります。一方で、ハード対策よりもコストがかからない啓発活動等のソフト対策は、効果が目に見えにくいと思います。しかしながら、ソフトとハードは車の両輪です。啓発活動等のソフト対策を効果的に実行するための手段としてアプリを活用してもらえれば、意義があると思います。

 

【尼崎市が自転車マナー日本一に!】
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年を期限とする、先進国を含む国際社会全体の開発目標のことで、持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットで構成されています。そのターゲットの一つに「道路交通事故死傷者数を半減させる」というものがあります。自転車マナーポイントアプリは、SDGsという目標に対して具体的な解決策として開発したものですので、この事をもっと多くの方に理解いただきたいと考えています。もしもアプリが普及して、尼崎市では、SDGsに対して、具体的な解決策にまで踏み込んで真剣に取り組んでいるとなれば、シビックプライドの醸成にもつながるのではないでしょうか。単にアプリを普及させるだけではなく、市内で自転車に関わっている団体等とコラボしながら楽しく安全に、尼崎市が「自転車マナー日本一」と言われるように取り組んでいきたいと思います。

取材の様子

<令和2年度の取組について>

自転車の交通事故の防止を目指す「自転車マナーポイントアプリ」を用いたビジネスモデル構築に取り組みました。

 

自転車の交通事故の約70%~80%は交差点及び交差点周辺で発生しており、周囲を確認せずそのまま直進、右左折を行うことが事故の原因となっています。交差点で一時停止することでポイントが発生する仕組みのアプリで、このポイントを商業施設等のポイントと連絡させることで、自転車が自発的に交差点で停止し安全確認をするように促すものです。

 


アプリの仕組み

 

このアプリは、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)のゴール3ターゲット6の「2020年までに世界の道路交通事故死傷者数を半減させる」に対する解決策でもあります。

 

引き続き、具体的な事業としてのビジネスモデルの構築に取り組みます。

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