放送日 2019年04月10日
第28回「平成30年の自転車事故の実態」
DJ:このコーナーは、とっても自転車がよく使われているこの尼崎を、さらに自転車のまちにしようという、壮大なプロジェクトをご紹介するコーナーです。
お相手は、尼崎市役所の生活安全課の皆さんです。よろしくお願いします。
市職員A、市職員B、市職員C:よろしくお願いします。
DJ:本日は第28回目です。今日のテーマは何でしょうか?
市職員A:テーマは、ずばり“平成30年の自転車事故の実態”です。
DJ:平成30年、1年間の自転車事故の実態、いったいどんな感じだったのでしょうか。
詳しく、教えてください。
市職員A:はい。
尼崎市内では、交通事故は1年間で、1万とんで809件起こっています。
このうち、死傷者が出てしまったもの、つまり交通人身事故は2,147件でした。
次に、交通人身事故2,147件のうち、自転車が被害者又は加害者となるものは924件ありました。
そこで、この自転車人身事故924件について、相手方を調べてみました。
DJ:なるほど、事故の相手方ですか!
人身事故は相手があって初めて起こるものですものね。
市職員A:はい。
自転車に乗っているときに遭う事故は、自転車に乗っている人にだけ注意を促してもあまり効果がないからです。
さて、自転車人身事故の相手方をおおよその割合別で見てみますと、クルマ・オートバイが85%、自転車が7%、単独が5%、歩行者が3%となっています。
DJ:85%がクルマ・オートバイなんですか!
そして、一番少ないのは、対歩行者なんですね。
市職員A:少し、想像とは違ったでしょうか?
もともとは、自動車にぶつかられる自転車というイメージだったかと思うのですが、昨今、自転車が加害者となって歩行者を死傷させるケースが、テレビや新聞などでクローズアップされてくるに従い、もしかすると、いまや自転車対歩行者の事故が多いと思っておられたかもしれません。
しかしながら、データをみますと、圧倒的に相変わらずクルマが、自動車やオートバイにぶつかられるというケースが多いことがわかりました。
DJ:このラジオでも、自転車は歩行者の仲間ではなく、クルマの仲間ですから、たとえば道路標識も自動車と同じように守らなければならないですし、飲酒運転も同じように禁止されていますということを、繰り返し強調してきたことと比べると、あまりにも圧倒的にクルマ等にぶつかられているという点は、少し意外な印象ですね。
市職員C:はい。
もちろん、警察に届けられていない、人身事故未満のヒヤリハットなどはあるでしょうし、そもそも事故件数の多い少ないが唯一の判断基準ではないと思います。
それにしましても、私たちが目指す自転車のまちは、市民の皆さんが、安全に、安心して、快適に“自転車を”利用できる尼崎である以上、自転車に乗って怖い思いをする、痛い目に遭うということを防止しなければなりません。
DJ:それでは、自転車に乗っているときに、特に、クルマやオートバイと事故にならないように、あえて、自転車側で注意しないといけない交通ルールなど、教えていただけますでしょうか。
市職員B:まずは、やはり、決められた場所をきちんと走行してください。
つまり車道の左側です。
DJ:逆走は本当に危険ですね。
市職員B:次に、夜間あるいは昼間でも暗くなってきたら、ライトをつけてください。
DJ:クルマに見つけてもらいやすくするため、ですね。
市職員B:はい。おっしゃるとおりです。
ライトは歩行者を見つけるためではなく、まわりに自分自身の存在を気付いてもらうためです。
次に、ヘルメットの着用です。
これは、不幸にも事故に遭ってしまった場合に頭部を保護するのはもちろん・・・
DJ:はい、視認性を高めて、あらかじめ事故を防止する効果があるんでしたね!
市職員B:そのとおりです!
以前、自転車に関する一石二鳥の回でお伝えしたこと、覚えていてくださってうれしいです!
市職員C:そしてなんといっても、一時停止です。
DJ:ストップ・アンド・ゴー、ですね
市職員C:はい。
信号のあるなしにかかわらず、交差点などでは、いったん停まって安全を確認していただきますようお願いします。
DJ:あと、少し気になるのですが、そもそも、クルマのドライバー側にも、注意してもらわないと、事故を防止できない部分もありますよね。
市職員A: はい、たとえば、自転車レーンの問題があります。
DJ:自転車レーンというと、あの青いラインですね?
市職員A:はい。
車道の左端にペイントがされているのをご覧になったことがあるかと思います。
DJ:あの自転車レーンは、安全ではないのでしょうか?
市職員A:もちろん、事故防止のために、自転車がどのあたりを走るのか明確にする意図で設置されているものです。
ただし、この自転車レーンが正しく使えていないのではないか?と心配になる部分もあるんです。
DJ:と、言いますと?
市職員A:せっかく設置した自転車レーンの上にクルマが停められてしまい、自転車側がその駐車車両を避けることで、むしろ、怖い思いをしたり、危険な目に遭いかねないということです。
実際に目にしたことがありますのは、自転車レーンの横にお店屋さんがあって、そこにご用がある方が、自転車レーンの上に堂々とクルマを停めてお店の中に入ってしまっているケースです。
そうした場合、その地点までは歩道でなく車道、つまり自転車レーンを走ってきた自転車利用者も、レーン上の駐車があると、避けざるを得ません。
うまく、安全に避けられればいいのですが、下手をすれば車道側に避けなくてはならず、後ろからやってくる自動車にぶつかられかねません。
DJ:それは、怖いですね。
市職員A:はい。
出会いがしらの事故も怖いですが、クルマに後ろから追突された場合の致死率はとても高いので特に注意が必要です。
DJ:色々うかがっていると、自転車の人身事故の相手方が圧倒的にクルマ・オートバイであるということも納得できたような気がします。
クルマのドライバーの皆さん、やはり自転車は生身の人間が運転しているものですから、注意して運転していただくようお願いします。
市職員B:もちろん、対歩行者で見た場合、自転車が強者、歩行者が弱者ですから、自転車側がさっと意識を切り替えて、歩行者に怖い思いをさせたり、痛い目に遭わせないよう、配慮して運転する必要があります。
DJ:ある時はクルマに乗っていても、また別の時には自転車に乗ったり、歩いたりするわけで、クルマと自転車、歩行者など明確に区別するのではなく、あくまでシチュエーションの違いに過ぎないですから、結局は、相手のことを想像する、お互い様だと思う気持ちが大切ですね。
では最後に告知です。このコーナーではリスナーの皆さんから、自転車にまつわるご意見などを募集します。
テーマはいくつかあるのですが、今回は、「自転車に乗っていてヒヤッとする、クルマの運転」です。
自転車で通勤しているときにヒヤッとしたエピソード、せっかく整備されているのにクルマがとても怖くて通れなかったあの道路・・・などなど、どんどんお寄せ下さい。
(以下、応募方法等の説明)