放送日 2019年06月26日
第39回「グッと!尼っ子リンリンサポーター」の紹介、その⑦!」
DJ:このコーナーは、とっても自転車がよく使われているこの尼崎を、さらに自転車のまちにしようという、壮大なプロジェクトをご紹介するコーナーです。
お相手は、尼崎市役所の生活安全課の皆さんです。よろしくお願いします。
市職員A、市職員B :よろしくお願いします。
DJ:本日は、第39回目の放送ですね。さて、今日のテーマは何でしょうか?
市職員A:テーマは、ずばり、“「グッと!尼っ子リンリンサポーター」の紹介、その⑦!”です。
DJ:「グッと!尼っ子リンリンサポーター」の紹介、その⑦ですね!
市職員B:尼崎市の自転車のまちづくりに協力していただいている、又は自主的に自転車のまちづくりを推進している「グッと!尼っ子リンリンサポーター」さんたちの活動について、ご紹介します。
第7弾は、「株式会社ふたごじてんしゃ」さんの活動についてご紹介します。
DJ:「株式会社ふたごじてんしゃ」さん、といえば、前回の放送にて、6団体目のサポーターとしてご紹介いただいた、「NPO法人つなげる」さんと関わりのある、会社さんですね。
市職員B:はい、おっしゃる通り、今回紹介するサポーター「株式会社ふたごじてんしゃ」さんは、前回、第38回目の放送にてご紹介した、「NPO法人つなげる」さんと関係のある会社さんです。
代表である中原さんの、「双子と一緒に、安心して自転車で出かけたい。」という想いからスタートし、日本で初めて、タイヤが3輪で幼児二人を後ろに乗せることができる自転車“ふたごじてんしゃ”の製品化を実現後、平成28年に立ち上げられたのが、「株式会社ふたごじてんしゃ」です。その後、シェアサイクルや交通安全教室等のソフト事業に特化して取組を行うための別団体として、「NPO法人つなげる」さんを設立されました。
DJ:そうでしたね。
市職員B: 今回は、改めて「グッと!尼っ子リンリンサポーター」となっていただいた、「株式会社ふたごじてんしゃ」の取組についてご紹介したいと思います。
DJ:早速お願いします。
市職員A:株式会社ふたごじてんしゃ代表の中原さんが、ふたごじてんしゃの製造を企画されたきっかけは、ご自身が、双子のお母さんになられたことでした。
実は中原さんは双子のお母さんになるまでに、すでにお1人お子さんがおられました。ですので、初めての育児というわけではなかったそうです。
ところが、2番目、3番目の双子のお母さんになったとき、それまでの子育てでは経験したことのない、様々なご苦労があったそうです。
その1つが、外出するときです。
中原さんは、1人目のお子様とは自転車でよくお出かけされ気分転換にもなっていたそうです。ところが、双子のお子様の場合、自転車は、同じ体格の子供を2人乗せることでバランスをとりにくくなったり、年齢や体重の制限などにひっかかってしまったりして、だんだんと自転車に乗せて外出することができなくなっていったそうです。
DJ :家事でも、介護でも、そして育児でも、ただでさえ大変なのに、外出の機会が減って家にこもりがちになると、心が追い詰められてしまいますね。
市職員A: とても大きなストレスになると思います。
さらに、中原さんによりますと、双子だからという理由で自分は子供の楽しみを奪ってしまっているのではないか、子供につらい思いをさせてしまっているのではないか、という無力感や閉そく感にも苦しまれたそうです。
市職員B:そして中原さんは、きっと自分と同じように、双子あるいは3つ子など、いわゆる多胎(たたい)のお子様をお持ちの保護者は、悩んでいるのではないか。そして、多胎(たたい)のご家庭は増えているとは言え、まだまだ全体から見れば少ないことから、特に孤独を感じているのではないかと考えられました。
ただ、先ほどご説明した、安全に、かつ、年齢や体重の制限にひっかからず双子を安心して乗せられる自転車はいくら探しても存在しなかったそうです。
そこで、存在しないのであれば、自分で作ろうと思われました。
そして、自分と同じように困っている人たちが安心して乗れる自転車を提供したいと考え、7年間かけて“ふたごじてんしゃ”の製品化を実現、平成28年には「株式会社ふたごじてんしゃ」さんを立ち上げられたのです。
DJ:世の中にないならば仕方ないとあきらめるのではなく、自分で作ってしまおう!というわけですね。
でも、ふたごじてんしゃの完成までには色々な課題があったのですよね。
市職員B:はい。
まず、自転車を製造している企業さんなどに協力を仰ぐ際、中原さんご自身が持っている「双子を安心して乗せられる自転車」のイメージを、相手さんに伝える事がとても難しかったそうです。子どもを前後に乗せられる自転車というのは、それまでも一般的に存在しました。しかし、従来の3人乗り自転車では、前後に双子を乗せると同じ体重がかかり、運転が不安定で、また安全基準により前に乗せられる子どもは4歳未満という制限もあり、大きな課題があると感じられていました。
ただ、保護者の方たちは、自転車の選択肢がないため、そもそも自身が困っているということに気がつかない。「皆そうして来た、それが当たり前だ」と思ってしまう。そして企業さんにとっては、特に既存の自転車に対して苦情がないため、新しい自転車の製造にあえて着手する必要はない。その意識から壊していかないといけないため、とても大変だったそうです。
DJ :ふたごじてんしゃが完成するまでには、大変な苦労があったのですね。
市職員A: ニュースなどで、子ども乗せ自転車による重大事故が報道されると、世間の方たちは運転していた保護者を批判するかもしれません。
しかし、実はその前に、その方法しか選べなかった保護者たちがいる。そういう人たちが使える自転車の環境を整えるため、中原さんは、「株式会社ふたごじてんしゃ」を設立されたそうです。
「株式会社ふたごじてんしゃ」さんが考える、自転車という乗り物の“すごいところ”は、「乗っている人1人の力で、行きたい目的地を定めて到着ができるところ」、だそうです。
しかし、同時に育てる子どもの数が増えれば増えるほど移動手段が限られ、子どもを連れての外出が叶わず、社会から取り残されたり引きこもったりしている保護者は多いと思われているそうです。
ふたごじてんしゃという、幼児との外出のための新たな選択肢が生まれたことで、それまでは双子を連れての外出が叶わなかった保護者が、これからはストレス無く、「今日はここに連れて行ってあげよう、明日はあそこに連れて行ってあげよう。こんな事を子どもたちと体験したい。」という願いを叶えられる、同じ道路を共有している地域の人たちとのつながりもでき、地域コミュニティの活性化にもつながるとも、考えておられます。
DJ:ふたごじてんしゃという、いわば、たった1つの選択肢が新たに登場したことで、双子の保護者、そして双子ちゃん自身が、疎外感や孤独から救われたのですね。
そして、それだけにとどまらず、地域コミュニティの活性化につながったということは、ある意味でその地域自体も救われたという見方もできるかもしれませんね。
思い返しますと、このコーナーのこれまでの回でテーマにしてきました、自転車の交通事故や盗難や不法駐輪といった様々な課題は、結局は、“他者への思いやり”というところにたどり着くことが多かったように思います。
双子、あるいは3つ子といった多胎(たたい)の家庭の存在に気づき、そして彼ら彼女らには特別な大変さがあるんだということに気づく人が1人でも増えてほしいですね。
市職員B:そうですね。それでも、現在のふたごじてんしゃは万能ではないと、「株式会社ふたごじてんしゃ」さんはおっしゃっています。ふたごじてんしゃの販売では、自転車では初めての「アセスメント販売」という仕組みを取り入れておられます。
DJ:「アセスメント販売」については、以前の放送にて「株式会社ふたごじてんしゃ」さんにゲストとしてお越しいただいた際にも、ご説明がありましたね。
市職員B:はい、具体的には、購入を検討している人に対して、その人自身のライフスタイルや住環境に最適な自転車の活用方法や交通ルール・マナーを再認識してもらう購入前診断を行うことで、購入後のミスマッチを軽減するというものです。アセスメント修了後に販売の際に、「あなたは、ふたごじてんしゃを使えない人です。」と伝えなければならない時もあるそうです。もっと改良し、よりたくさんの人が使えるデザインに変えていき、そういった保護者に届けられるものをラインナップに増やしたいと、「株式会社ふたごじてんしゃ」さんはおっしゃっています。
市職員A:株式会社ふたごじてんしゃさんに、ふたごじてんしゃを利用する方々に伝えたいことは何かありますか、とお聞きしたところ、
「ふたごじてんしゃの製品化によって、双子を連れての外出が叶った保護者には、次は安全に家に帰ってきてほしいです。『家は帰る場所です』と、私はいつも言います。双子を連れての外出が叶わなかった保護者の方が言うのは、『そうなんです、ずっと閉じこもっているから、出かけられないから、帰ることすらできない。』ということです。ふたごじてんしゃ®の製品化をして終わりではなく、保護者の方たちが“帰れる場所”を見届けるまでが私の仕事だと思っています。株式会社は営利企業ですので、どうしても制約があります。そこで、NPO法人つなげるという別団体を設立しました。今後、アセスメント販売や交通安全教室、シェアサイクル等、ソフト事業は全てNPO法人のほうで引き取り、株式会社ふたごじてんしゃでは、車体の企画・開発開発や販売網の整備、アセスメント販売などに特化していきます。」
とおっしゃっていました。
市職員A:また、自転車を利用する方々に伝えたいことは何かありますか、とお聞きしたところ、
「子どもを乗せて自転車に乗っている方には、ご自身の安全だけではなく、未来の子どもたちのことも考えてほしいです。
子ども乗せが可能な電動アシスト付自転車は、非常に速いスピードを出すことが可能です。しかし、乗っている子どもさんがその速さに慣れてしまうと、子どもさんが自分自身で自転車を運転するようになった時、同様に非常に速いスピードで走ってしまうのではという懸念があります。ですので、保護者の方が子どもさんを乗せる時、『将来この子も同じような乗り方をするんだ。』ということを、心のどこかに留(と)めていただき、安全な運転をしていただきたいと思います。
そして、自分が保護者に注意を促すときは、『危ない!』と指導する伝え方ではなく、“そうだったんだ。危ないことをしていたんだなあ”という気づきをもってもらえるような伝え方をしたいなと思っています。
また、危ない自転車の運転をしているのは、子どもを連れた保護者だけではなく、仕事中の移動手段として自転車に乗っている人たちの中にも、けっこういらっしゃるなと思います。交通安全についての啓発というと、学校や保護者に対してがメインになるかもしれませんが、企業さんに対しても啓発を行っていきたいです。働いている人たちも、家に帰れば、一生活者ですから。」
と、おっしゃっていました。
DJ:自転車に乗る全ての皆さんが、安全運転を心がけるようになれば良いですね。
市職員B:ご紹介した「株式会社ふたごじてんしゃ」さんの活動内容については、「尼崎市自転車総合ポータルサイト~尼っ子リンリン~」でもご紹介しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
市職員A:次回以降も、随時、サポーターの皆さんの活動についてご紹介します。
DJ:楽しみですね。よろしくお願いします。
では最後に告知です。このコーナーではリスナーの皆さんから、自転車にまつわるご意見などを募集します。
テーマはいくつかあるのですが、今回は、「自転車と聞いて思い浮かべるあの有名人」です。
自転車と言えばあの人、自転車が大好きな有名人、あの作品のあのシーンで自転車に乗っていたあの人、などなど、どんどんお寄せ下さい。
(以下、応募方法等の説明)