放送日 2019年07月10日
第41回「グッと!尼っ子リンリンサポーター」の紹介、その⑧!」
DJ:このコーナーは、とっても自転車がよく使われているこの尼崎を、さらに自転車のまちにしようという、壮大なプロジェクトをご紹介するコーナーです。
お相手は、尼崎市役所の生活安全課の皆さんです。よろしくお願いします。
市職員A、市職員B:よろしくお願いします。
DJ:本日は、第41回目の放送ですね。さて、今日のテーマは何でしょうか?
市職員A:テーマは、ずばり“グッと!尼っ子リンリンサポーターの紹介、その⑧!”です。
DJ:「グッと!尼っ子リンリンサポーター」の紹介、その⑧ですね!
市職員B:尼崎市の自転車のまちづくりに協力していただいている、又は自主的に自転車のまちづくりを推進している「グッと!尼っ子リンリンサポーター」さんたちの活動について、ご紹介します。
第8弾は、「国際航業株式会社」さんの活動についてご紹介します。
DJ: 「国際航業株式会社」さん、ですか!どのような活動をされているのでしょうか?
市職員A:「国際航業株式会社」さんは、東京都に本社を構え、尼崎市内に関西事業所・西日本支社を構える企業さんです。
自転車交通事故削減のためのスマートフォンアプリを開発され、尼崎市が「自転車マナー日本一」になることを目指しておられます!
DJ:尼崎市が「自転車マナー日本一」になることですか!「国際航業株式会社」さんの取組について、詳しく教えていただけますか。
市職員B:はい。きっかけは、地域課題を解決できるような事業を検討するにあたっての、社内アンケートだったそうです。尼崎市についてのアンケートを取ったところ、「尼崎市の良いところは交通の便である。良くないところは交通マナー、特に自転車の交通マナーである。」との意見が出たそうです。
そこで、尼崎市内での自転車交通事故防止について、何かテクノロジーを使って役立つものができないか、というところから取組が始まったそうです。
DJ:そうなのですね。
市職員A:「国際航業株式会社」さんが実際に調べてみたところ、自転車の交通事故の約70%は交差点で発生していることがわかったそうです。そこで「国際航業株式会社」さんは、交差点で一時停止を行えば多くの交通事故を防ぐことができるのではないか、と考えました。
同社さんの事業領域の技術等を活用し、交差点などで一時停止をする事でポイントが付与されるという仕組みのスマートフォンアプリケーションを考案されたのです。
「国際航業株式会社」さんは、このアプリを持って臨まれた、平成28年度の尼崎課題解決型ビジネスプランコンペにおいて、最優秀賞を獲得されています。
DJ:最優秀賞、素晴らしいですね!
市職員A:はい。
それと、この取組には、とても大切なコンセプトがもう1つあります。それは、”プラスの感情でルールを守ってもらう!ということです。
DJ:プラスの感情でルールを守ってもらう?
どういうことでしょうか?
市職員A:交通ルールについては、通常、規制や罰則により守っていただこうという考え方が多いのですが、このスマートフォンアプリの根底にある考え方は、“ルールを守ったらいいことがある、ご褒美がある”という考え方です。
ルールを守るという善い行いをしていれば、何かの形で得をするという感情が、その人の交通行動を変えやすいのではないか、そしてそのことがやがて習慣となっていくのではないかというものです。
DJ:とても興味深いアプロ―チですね。
もちろんルールなので守ることが当たり前ではありますが、そのことを善いことだと認識してもらったり、ほめられたりして悪い気がする人はいませんものね。
市職員A: はい。
そして、尼崎課題解決型ビジネスプランコンペの後、平成30年11月から平成31年3月まで、アプリを用いて、尼崎市内で自転車を利用され、スマートフォンをお持ちの方を対象として、交差点で一時停止することでポイントが付与されるという「自転車マナーポイント」アプリを用いた実証実験を実施されました。
DJ:Aさんも参加されたのでしょうか?
市職員A: はい、私も実際に参加させていただきました。
市職員B: 交差点で一時停止をするとポイントを付与するという仕組みのアプリの完成までは、試行錯誤の連続であり、特に、自転車を利用する方のどういった行動を、アプリで検出するかが課題だったそうです。最終的には、やはり最も現実的な「止まることを検知する」という手法だったそうです。自転車事故の7割が交差点で発生しているのであれば、交差点で周囲に気を付けて一時停止をする事で、多くの交通事故は防ぐことができると「国際航業株式会社」さんは考え、技術面でも多くの苦労を重ね、ようやく「自転車マナーポイント」アプリを完成させたのです。
DJ:なるほど。ところで、自転車に乗って交差点などで一時停止することでポイントが貯まるシステムとのことですが、貯まったポイントについては、使い道があるのでしょうか。
市職員A: 平成30年11月から平成31年3月まで「国際航業株式会社」さんが実施した実証実験では、ポイントの使い道はまだありませんでした。しかし将来的には、そのポイントを、商業施設などのポイントと連携させることによって、自転車交通事故の削減を図りながら地域経済の活性化にもつながるような事を考えておられるそうです。ただ、「その仕組みについては実験の結果をもって今後具体的に考えていくのでまだまだ大変です。」と「国際航業株式会社」さんはおっしゃっていました。
DJ:なるほど。将来的には自転車マナーポイントを用いて、事故を減らしながら、地域の活性化もはかるという仕組みを考えておられるんですね。
市職員B:「国際航業株式会社」さんが、もう一つ将来的に「自転車マナーポイント」の使い道と考えておられる事として、自治体の信用スコアとして考えられないか、とおっしゃっていました。
「マナー」というのは、存在しているけれど目には見えませんし、数値化もできません。それがアプリによって、自転車に乗って交差点で一時停止する人の人数が分かるとします。そういった交通ルールを守る人は事故にあいにくい人であり、尼崎市にそういった人たちがたくさんいるとなれば、自治体の信用スコアが高いという計測ができるのではと。将来的に、アプリが普及すれば、例えば学校区などのエリア単位で、地域ごとの傾向が見えてきて、そういった傾向と、事故の発生率などの関係性も考えて、例えば自治体の交通安全対策にはハード面の対策とソフト面の対策の両方があると思いますが、啓発活動などのソフト対策を効果的に実行するための手段として、アプリを活用してもらえれば、意義があると思います、と「国際航業株式会社」さんはおっしゃっています。
DJ:「マナー」を目に見えて数値化させる仕組み、ですか。なるほど。
市職員A:これまで私たちはルールとマナーを対(つい)になる概念として捉えてきたのですが、国際航業さんのお話を聞いているうちに、なんとなく、ルールを守ることも含めた、広い意味でのマナーという概念もあるのかもしれないと感じました。
ところで、SDGs(エスディージーズ)という言葉をご存知でしょうか。Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)の略称です。2015年9月の国連サミットで採択された、2030年を期限とする、先進国を含む国際社会全体の開発目標のことで、持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットで構成されています。
そのターゲットの一つに「道路交通事故死傷者数を半減させる」というものがあります。自転車マナーポイントアプリは、SDGs(エスディージーズ)という目標に対して具体的な解決策として開発したものですので、この事をもっと多くの方に理解いただきたい、と「国際航業株式会社」さんはおっしゃっていました。
DJ:SDGs(エスディージーズ)というのは確かに近頃よく耳にしますね。
市職員A:はい。
また、「もしもこのアプリが普及して、尼崎のまちでは、皆さんが、SDGs(エスディージーズ)に対して、具体的な解決策にまで踏み込んで真剣に取り組んでいるとなれば、シビックプライドの醸成にもつながるのではないでしょうか。
単にアプリを普及させるだけではなく、市内で自転車に関わっている団体等とコラボしながら楽しく安全に、尼崎市が「自転車マナー日本一」と言われるように取り組んでいきたいと思います。」とおっしゃっていました。
DJ:尼崎市が自転車マナー日本一に!まさに自転車のまちづくりの目指す姿ですね。そうなってほしいですね。
市職員B:ご紹介した「国際航業株式会社」さんの活動内容については、「尼崎市の自転車総合ポータルサイト~尼っ子リンリン~」でもご紹介しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
市職員A:次回の放送でも、サポーターの皆さんの活動についてご紹介します。
DJ:楽しみですね。よろしくお願いします。
では最後に告知です。このコーナーではリスナーの皆さんから、自転車にまつわるご意見などを募集します。
テーマはいくつかあるのですが、今回は、「市内で、自転車の事故が起きそうなところ、ヒヤリハットするところ」です。
前から気になっているあの交差点、ある時間帯に自転車が殺到するあの道路などなど、どんどんお寄せ下さい。
(以下、応募方法等の説明)